回想

回想の練習/備忘録

セリーヌとジュリーは舟でゆく

去年の春から凡そ一年間就労せず暇だったので近所のツタヤを利用して毎日映画を観る事にした。そこでゴダールの中国女を観て、ジュリエットベルトを知った。

ジュリエットベルトの顔や仕草がとても好きで、焦点の合ってないような黒目、眉毛の薄いあの顔、割礼の宍戸さんに似ている。あとは俳優の安藤政信。あの顔になりたいと思う。

ジュリエットベルトが出演している映画を調べて、「セリーヌとジュリーは舟でゆく」を借りた。

その頃は昼夜逆転の生活で、二時か三時に映画を見始めると、丁度明け方に映画が終わり、気持ち良く眠れるのでいつもそうしていた。

ジャックリヴェットの映画は、唐突に始まり、すぐに事件が起き、人は突き動かされ、一向に立ち止まることはない。そんな印象がある。

謎は謎のまま、夢は夢のまま静かに幕は下りるから、私はいつでもその中に潜り込む事が出来る。終わりがない。


起きて、走る、笑いながら、起きて、また走る。この映画に映る世界の存在を私は信じている。そしてそこに私も住んでいる。そんな映画。

双葉双一 20130810 live at 下北沢lete

印象に残る演奏について。

2013年8月13日土曜日夜、下北沢にある小さなライブハウスleteで、双葉双一さんのライブを見た。

当時私は双葉さんの事はあまり存じなく、CDを買って聴く機会もなかったが、なんとなく気になったので見に行った。


その日、双葉さんは確か、白い太めのパンツに肩章の付いた半袖シャツを合わせたマリンルックのような出で立ちで、華奢な体に良く似合っていたように思う。


当時の(現時点においても)最新アルバム「R離棟からの手紙」より「追走曲」から演奏が始まるが早々に店の奥の樽?が倒れたと思しき大きな音を立てた為演奏を中止する。

何事もなく演奏を再開し、その後はつつがなく慎ましく、凡そ完璧な演奏をしていたように思う。


曲目は以下。

一部

1.追走曲

2.体は食卓 頭は雲の上

3.岬の上

4.氷の上の乙女

5.揺れ

6.アイシャドーの女?(曲名不明)

7.家の中で花火

8.二段階右折エレジー

9.ヤンキーとバレリーナ

10.折々の径影

二部

1.八月のほんの少し

2.束の間の二日間

3.灰皿の灰?(曲名不明)

4.R離棟からの手紙

5.Jet Song

6.レベル5

7.星の瞬く夜に

アンコール

1.覚醒の歌


曲目を書いて仕舞えば後はもう何も書く事はなくなる。

拍手が止んだ後に、John GreavesのSongsが流れた。


最後に覚醒の歌を聴かなければ、この日から現在に至るまでしばしば双葉さんのライブを観に行く事はなかったのかもしれない。


或いは三拍子にアレンジされた束の間の二日間や、アコースティックギターとハーモニカで力強く奏でられたR離棟からの手紙も鮮烈な印象を私に与えた。

夏になると時々思い出す。