去年の春から凡そ一年間就労せず暇だったので近所のツタヤを利用して毎日映画を観る事にした。そこでゴダールの中国女を観て、ジュリエットベルトを知った。
ジュリエットベルトの顔や仕草がとても好きで、焦点の合ってないような黒目、眉毛の薄いあの顔、割礼の宍戸さんに似ている。あとは俳優の安藤政信。あの顔になりたいと思う。
ジュリエットベルトが出演している映画を調べて、「セリーヌとジュリーは舟でゆく」を借りた。
その頃は昼夜逆転の生活で、二時か三時に映画を見始めると、丁度明け方に映画が終わり、気持ち良く眠れるのでいつもそうしていた。
ジャックリヴェットの映画は、唐突に始まり、すぐに事件が起き、人は突き動かされ、一向に立ち止まることはない。そんな印象がある。
謎は謎のまま、夢は夢のまま静かに幕は下りるから、私はいつでもその中に潜り込む事が出来る。終わりがない。
起きて、走る、笑いながら、起きて、また走る。この映画に映る世界の存在を私は信じている。そしてそこに私も住んでいる。そんな映画。