豊田道倫さんと麓健一さんは時々、年に一度くらい、共演しているよう。
曲目
1.?(キスミーと歌う曲)
2.?(羊飼いの家と歌う曲)
3.?(杖が無ければ歩けない僕の体と歌う曲)
4.水晶
5.ペンタゴン
6.家族の肖像(豊田道倫カバー)
7.?(遠くの星を目指したと歌う曲)
8.ヘル
9.幽霊船
10.二月の星
人の体はほとんど水で出来ているという話から着想を得たという、キスミー/あなたはただの水よ、と歌う一曲目。
緩やかに上昇するコードストロークに乗せて、愛が私に降る/何故か笑ってしまう、と歌う二曲目。
近年演奏され続けている鈍色の新曲群とは異なり、その煮詰まった文脈からそっと抜け落ちたような湿度の低さ、そして諦念を盾に停滞から俄かに抜け出す兆しをその中に感じた。しかし上記二曲はその後あまり演奏されていないようである。
フラフラと取り留めもない話を挟みながら演奏を続けていたが、後ろに控える豊田さんから、もう分かった、と、やにわにMCを切り上げられ、二月の星という小曲を最後に演奏した。
慎ましく爪弾かれる循環コードには思案の果てに二月の澄んだ星空と対峙する静けさを歌い、短いながら確かな余韻を残す。